2010年10月22日金曜日


私はシャワーを浴びにいこうとしている
ばあちゃんちの廊下

脱衣所のドアを開けると光が漏れ 薄暗い廊下に置いてあった
金色のメダルとばあちゃんの眼鏡に気づく

朱色の短いリボンとやすっちいプラスチックのそのメダルには
何かの大会の奮闘シーンの写真が写真立てのように入っており
裏には年月日が印刷されている

私の前にお風呂に入ったばあちゃんがここに忘れて行ったんだ。

ばあちゃんは今では随分ボケてしまっていた
きっと大事なメダルをお風呂にも持っていっていたのに
何かに気を取られてここに忘れて行ったのだと気づく

涙がでた

大きなシャワーヘッドからお湯を出す 
おばちゃんが台所から叫んでいる
湯船のお湯は捨ててねー!
はーい!と答えた一瞬後 
このお湯はきたないもの扱いをされているんだと気づく
嫌な気持ちになる前に

栓を抜いた


場面が変わる

川に服のまま胸まで浸かっている 足はつかない深さ
冷たくはない 川幅は100m程
頭の上にコンクリートの橋がかかっている
橋の上にも川縁に沿っても沢山の観客がいる
川の中にも私と同じように水につかっている人たち
その橋の支柱の近くで
川の上流に身体を向けて私は立って浮いている

目の前に中州がありそこに画像がある
それは昔私がつくったコラージュ作品で
いろんな場面のお父さんとお母さんのツーショットが
所狭しと配置されている画像だった
目線をひとつの場面に向けるとそれが動画として動きだす

左奥の後ろ姿の二人に目をやると突然水切りをし出した
どちらもけっこう遠くまで石が飛んできゃっきゃと笑い声が
川面に響く

右上に目をやるとちょっと可愛らしすぎるデニムのワンピースの
お母さんが画面の中央辺りにいたお父さんのところまで駆けてくる
待ち合わせだったのだ デートだからお洒落をしているんだ

中央左にいたお母さんはひとりだなと思って目をやると
スーパーの買い物袋を結構下げているのに白い風船までもらっている
ふつうのサイズの風船が2つ ちびサイズの風船が3つ
ふわふわとおかあさんの頭の後ろをついてくる
ああ うちの家族の人数分もらってきたんだと気づく
お母さんも画像を見ている私に気づく
荷物が重いのに手をあげて振ってくれた


泣き出した


幸い誰も私が力の限り泣いているのに気づかない
川の真ん中をちょうどパレードが通っていたし
みんな画像を見ながらわいわいと盛り上がっている

悲しいのと
愛しいのと
惜しむ気持ちと
諦める気持ちがマーブル模様のように胸の中にあった

おばあちゃんの記憶やお父さんとお母さんの若い頃や
今このときが消えて行くのが本当に嫌だ
目の前の光景も自分の記憶もどうして消えて行くんだろう
無くなっていかないで消えていかないでと思っていたけど

育んで残って行くものなんだと気づく
何かに繋がって含まれて行くものなんだと

だから消えて行くけど消えてないんだと気づいて

その二つの間を泣きながら往復していた


目を開けて泣いていたのでふとパレードの向こう側に
友達がいるのに気づく
こちらに来ようとしているが人がわらわらといるので
静まるまで待っているよう

とりあえず泣ききろうとわーわーと泣き続けた

どうやらイベントが終わったらしく人が帰り始めた
友達がスイーッとこちらに来た
大丈夫?と言われたので
大丈夫、だいぶ分かった だいぶ解ってきたと言って
泣き止んだら
よく頑張ったねと言われた

ふたりでざぶざぶ川から上がる
私の手はいつのまにか納税書を握りしめていた
年に一回わかった事に対して税を収めなければいけない

その人はさっきまでおばあちゃんちの仏間で
困った顔をされるくらい長い時間身体を触らせてくれた
人だった

だから私はシャワーを浴びに行ったのだと思い出した




目が覚めた
胸のマーブルは全く同じ温度のまま現実に存在した
とりあえず泣いとこう と またぴーぴー泣いた


夢はすごいな仕事が速いなとぼーっとギャラリーに来た
きちんと8時間は寝かせるが夢を見そうになると起こす
という実験を健康な若者にしたらたった3日で精神病の
いろんな症状がでたらしい
あと、夢の中の知らない人はねつ造した人物ではなく、
自分の記憶の中にある人物らしい 
小さいときに一度だけ会ったピザ宅配のお兄さんとか


ぼーっとしてたら
お花をお届けに上がりましたとスーツ姿の若い人が来た
受領書を置いて持ってきますと出て行ったので
どんなにおおきなお花なんだと思っていたら
お待たせしました と
入り口のところで一旦止まり、
それからゆっくりと窓の近くに立っていた私に
胸のところに捧げ持ったちいさな赤いバラの花かごを
持って来てくれた
中性的な色の白い人だったので
ホテルマンの出で立ちの天使のような人だと思って

不思議な気持ちで花束を受け取った



夢の中みたいだ





































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