2012年7月27日金曜日
私
一番最初の記憶は
1
えりちゃんちで遊んでいる。明るい畳の部屋を覚えている。
えりちゃんはまだ小さくて私はお姉さんだったけど小さかった。
保育園に入る前だと思う。2歳くらい。
2
夜泣きは一切なかったそうだ。
夜中に目が覚めると私はひとりで勝手に起きて、
枕元に置いてあるお水をちゅうちゅうと飲んで
それからまた寝ていたそうだ。
3
お父さんは自営業で眼鏡屋さんを営んでいた。
お母さんはそれをお手伝いしていた。
私が小さかったとき眼鏡屋さんの奥の給湯室に
寝かされていた。給湯室は二畳あっただろうか。
私がお店に出てこないようにお父さんが柵を作った。
お父さんは器用。何でも作ってしまう。
4
ある日柵を飛び越えようとして怪我をした。
私の右手の甲には今も傷がある。
そうして私は「右」を覚えた。
傷がある方が右。ないほうが左。
わからなくなったら手の甲を見れば良い。
こっちはみぎ。だからこっちはひだり。
5
保育園の記憶は無い。保育園から帰って来て遊んでいる自分は
覚えている。保育園はお寺がくっついていた。いやお寺に
保育園がくっついていた。だから仏教だった。
6
保育園から直線300mのところにお父さんの眼鏡屋さんはあった。
その間、眼鏡屋さんから100m、保育園から200mの所に
すすきだらけの正方形の空き地があった。
いつもそこで遊んでいた。ひとりで。
お父さんとお母さんは眼鏡屋さんのショーウインドウから
私を見張っていたのだろう。すすきの中で見え隠れする
赤いジャンパーの私。
7
給湯室にある神棚もお父さんが作った。
いつもお店を閉めて帰る前にお父さんと並んでお祈りをした。
手を2回たたいてパン、パン。
お店が潰れませんように。おみせがつぶれませんように。
おみせがつぶれるという意味は教えてもらった。
とにかく大変なことなのだ、ということだ。
きっとお父さんはすごく悲しいことになるのであろう。
あんなに一生懸命祈っている。
8
お母さんとスーパーに買い物に行く。
知らないおばちゃんと会う。知らない女の子もいる。
こんにちは。と挨拶をしたら
女の子がおばちゃんのスカートを握って後ろに隠れてしまった。
なにそれ。いいな。
すごく真似したかったけど、きっとあんまりやっちゃいけないんじゃないかな。
でもすごく羨ましかった。かわいかった。
お母さんとおばちゃんの話を聞く。こういうのは人見知りと言うそうだ。
あの子にはあって、私には無いんだそうだ。
今度このような状況に遭遇したら絶対やってみようと思った。
9
ピースとウインクが出来るようになった。
むりやり。
10
ひきつけを起こしていたそうだ。
記憶にはない。
ある日熱が出てひきつけの発作がでたとき、
タオルにくるんだスプーンが間に合わなくて
お母さんが私の口に手をつっこんだそうだ。
お母さんの手は血だらけだったそうだ。
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